ふと目に飛び込んできた、映画の感想ブログ。アメリカでヒットしている、La La Landが面白いらしいとのこと。ここのところ映画熱は冷めていたけれど、なぜだか久しぶりにすごく見たくなった。
それでまぁ、早速見てきました。(以下、映画の内容に言及しますので、気になる方は読まないことをお勧めします。)
とにかく最後が切ない。ロマンチストな男性の努力ははかなくも砕け散り、現実的な女性がたくましく良い結果を得る。そういう映画でした。脚本に関してはどうしてもここが気になってしまいました。名作にはハッピーエンドこそ似合う、映画館を出る時にもっと幸せな気持ちにさせて欲しかった、そういう感情が残りました。
男性と女性で、見終わった後の印象は随分違うのではないかと思います。女性側の感じ方も聞いてみたいところです。「こんなものよね。」なんておっしゃるのかもしれません。
男性側が、嬉しいことがあってサプライズを準備したシーン。どんどん意見がすれ違って行って最悪な展開を迎えるわけですが、僕の古傷がすごく疼きました。男性側の思考と、それを理解できない、理解するつもりのない女性。とても素敵な一時を過ごすはずの予定で男性側だけが思い描いていた夜は、あっけなくも崩れ去っていく。最後の焦げたケーキなんてもう、涙が出そうでした。
このブログで映画感想に言及するなんてずいぶん久しぶりのことになります。ひょっとしたら初めてかも?ぐらいですね。それぐらい、この映画は印象的でした。つまり、面白かったのです。
脚本に対する不満から始めさせてもらいましたが、それは映画にぐいぐい引き込まれていたということでもあります。この監督の才能は今後すごく楽しみですね。調べてみたところ、デミアン・チャゼルという85年生まれ、現在32歳の若者です。ハリウッドってすごいなあ。こんな人が出てくるんだもんな。
この映画が始まると、最初の数分で一気に引き込まれます。映画の面白さ、カメラワーク、音楽、色使い、才能が溢れています。
女の子が家に戻って、一緒に住んでいる友達たち4人とパーティーに行く準備をする下りなんて最高でした。何しろ色が綺麗。カメラワークがぐいぐいと切り取っていきます。
もうひとつ特筆すべきなのは、主演のエマ・ストーンが来ている服の数々。誰がスタイリストとしてサポートしていたのか知りませんが、どの服もとても雰囲気があって、色使いが良かった。日本人がこういう服を着こなすのは難しいのかも知れないけど、あの薄い紫のワンピースなんて最高に良かったなあ。
エマ・ストーンに関しては、うーん、こういうのを魅力的というのかもしれないけど、脚本との絡みもあるんだろうけど、そして僕の過去の経験というのにも関わるのだろうけど、好みではなかった。この映画に本当に必要な人だったけど、最後の切なさが、エマ・ストーンに対する評価をどうしても下げてしまいました。
僕の勝手な考えですが、日本人がこの映画を作るのは、無理だと思います。
僕は以前よりアメリカ人やイギリス人との交流が増えて、ほんの片言だけど、英語で会話をすることもできるようになりました。まだ深くは分からないけど、英語圏の二大勢力、アメリカ人とイギリス人と日本人の比較というのが少しはできるようになりました。
アメリカ人とアメリカ映画という文化と、日本人と日本映画という文化は、映画という共通点はあるものの、とんでもなく違うものです。それは、言葉という意味では一緒だけど、英語と日本語が異なるぐらい違います。そこに含まれている性格や歴史や習慣が違いすぎるのです。
それで僕はLA LA LANDを見て、とても羨ましい気持ちになりました。「アメリカ人がこのアメリカ映画を作るのは、とっても楽しかっただろうな」と素直に感じました。
さらっとジョン・レジェンドが出演したりするなんてのも、まぁ、日本じゃ考えられないことです。
また切なくなるから、見たくない。
けど、あんなに素晴らしい才能とセンスが詰め込まれた映画、やっぱりもう一回見たい。
僕の楽しい映画鑑賞人生の思い出深い一ページとなりました。
P.S.
SEXシーンや銃殺シーンがないので、子供でも楽しめると思います。