読み物とリズムと音楽

読みやすい文章と,とても読みにくいと感じる文章があります。

挙げればキリがないほど沢山の要素があるわけですが,その中でかなり重要なのは,リズムなのだと僕は思っています。どんなリズムで文章を書いているか,それが読み手にはっきりと伝わるということです。

このことをきちんと意識するようになったのは,村上春樹の雑文集を読んでいるときでした。


音楽にせよ小説にせよ、いちばん基礎にあるものはリズムだ。自然で心地よい、そして確実なリズムがそこになければ、人は文章を読み進んではくれないだろう。

このように村上さんは述べています。

モノ書きには,音感が大切だということをしみじみ感じます。好きな音楽をたくさん聞いて,自分のしっくりくるリズムを持っていて,それが意識されていると,文章にテンポが生まれてくる。日本語として正しいか,とか,意味の説明があってるか,とか,内容に深さがあるか,とか,そういうのは後からなんですよね。

聞いていて気持ちいい,っていうのと,読んでいて気持ちいい,っていうのは何だか似ている。イヤフォンを通して耳から感じ取るのと,読み物を通して目から感じ取る違いのようなもの。

そして,文章というリズムの上に,全体の流れという音楽性を取り込むことができたなら。何気ない日常が文章で気持ちよく伝わる,そんなことができたら。

僕はモノ書きでそんなことも目指してみたいんです。

ブログツールとレンタルサーバー(wordpress, xrea, value domain, PHP5, MySQL)

今回,新しくレンタルサーバーの一部をお借りしてブログを始めています。

これだけ世の中にフリーで使えるブログツールがあるのに,わざわざお金を支払ってこうやって自分だけのスペースを作ることにはワケがあります。

ちなみに僕はこのブログを,できるだけ小学生や中学生,または高齢の方々にも読んでもらえることを想定して書こうとしています。もちろんいつもできるわけではないのですが(念のため)。なぜか。それはあらゆる人の役に立つ可能性のある情報を書こうとすることで,僕のモノ書きの技量を上げることができるかもしれないし,自分でそのことを平易に説明できるか確認することができるからです。

技術屋として世の中で仕事する上で,多少小難しいことを誰にでもわかるように平易に説明できるということは,とても大切なことです。でもこれが難しいのです。そんな部分にもチャレンジしたいということで,そういった想定を持つことにしました。

話がそれました,お金を支払う理由でしたね。

まず第一の理由は,無料サービスだと勝手に表示される広告が,とても嫌だということです。僕のブログに,突然関連商品などを楽天が表示したり,他人のブログの最近のエントリーが表示されるとか,とても受け入れがたいことなのです。無料サービスというのは,お金は払わないものの,引き換えに何か別のものを支払っているのです。大抵はその会社の広告を手助けするというのが今は一般的です。

もう一つの理由は,こちらの個人情報をその無料サービスを運営している会社に提供することになるので,できるだけ無料サービスを避けたいということです。googleやFacebookは,人の情報を平気で色々な仕方で勝手に活用しています。ある意味,こちらは個人情報という形でお金を支払いながら,色々なサービスを「使わせてもらっている」ようなものなのです。あーいやだいやだ。(便利だから結局gmailは参照用に使っているけれど。)

さらに別の理由として,フリーのWebサービスを使っていると,「突然調子が悪くなって止まっても何も文句が言えない」とか,「勝手に機能の変更をされても,こちらから戻したり止めたりできない」ということがあります。

これらの問題が,自分でお金を支払って借りたサーバーで,自分で設定すれば,ほとんど解決されます。もちろん,レンタルサーバーを借りてたって障害が起きる可能性や,個人情報が拾われることはあり得ますけど,フリーのWebサービスとは比較にならないほど安心なのです。

さて,ブログを始めるのにソフトを選ぶ必要があります。私は「WordPress」を選びました。これは,GPLというフリーソフトウェアライセンスのものです。つまり,無料で使えるソフトウェアをダウンロードして,お金を支払って借りたレンタルサーバーにインストールして使うというわけです。ソフトが無料で使えると書くと,フリーのWebサービスとの違いがなんだかわかりにくいですね。けれどもそういうことなのです。レンタルサーバーで自分のブログをするには,何らかのブログツールをインストールしなければなりません。借りるレンタルサーバーによっては,ブログツールが手軽に始められるようになっているものもあります。WordPressが使えるようになっているのもあるんじゃないかと思います。ここを頑張って乗り越えれば,広告なしの思い通りのブログが始められるのです。

今回運用するにあたって,私が選んだWordPressのバージョンは,最新版の3.3.1でした。そうしますと,それがインストールできる環境はPHP バージョン5.2.4 以上で,MySQL バージョン5.0 以上が必要でした。これらの条件を満たす場所をxreaで見つけて,そこを借りました。さらに,value-domainでドメインを取得しました。.jpと.comで悩んだけれど,安さで.comにしました。.comは年間950円。xreaのレンタルサーバーが年間2400円。つまり,1年間分の3350円を支払いました。hrdtks.com。自分の好きなドメインを取得してそこでブログが運用できるというのも,お金を支払ったからこそ得られるメリットです。

FTPでファイル群をサーバーへアップロードして,readme.htmlを参照して,インストールのURLへアクセスすると,設定ファイルを作成するように指示されます。そこで,xreaからDBの情報を参照して,DB名とDBユーザー名,DBユーザーパスワードを設定したファイルをアップロードします。そしてもう一度インストールURLへアクセスすると,インストールは完了しました。(後日談:なんと,管理画面から”CGIインストール”を選ぶと,1クリックでWordPress 3.2.1をインストールする機能がxreaに付いていることが後から判明した。勉強になったから結果オーライだけど)

ブログのデザインを決めて,スタイルシート(css)を微調整しました。このちょっとした微調整を自分の思い通りにできると本当に気持ちいい。

いくつかエントリーを投稿して,なかなか良いスタートが切れてほっとしました。画像をアップしようとしたらxreaのPHPのsafeモードでちょっと困りましたが,.htaccessを使って設定を調整したら問題ありませんでした。よしよし。

面白いブログを書き続けてくれる人たちがこれから無数に生まれてきてくれることでしょう。そんな人たちの背中を押すことができれば満足です。面白ければ,いつか陽の目を見ることになります。きっと僕のRSSリーダーにも,登録することになるんだろうな。(RSSリーダーとは,色々なブログを登録しておいて,まとめて更新内容を拾い読みする便利ツールです)

近所の畑とワイルドストロベリー

小さい頃に住んでいた家のそばに畑がありまして,親戚のおじさんがナスとかきゅうりとかトマトとか色々と育てていました。我が家はその畑にあったイチゴ栽培スペースを一区画契約していて,イチゴを育ててくれるのはそのおじさんなんだけど,収穫だけは好きな時に好きなだけ自分たちでプチっともぎる,今から考えるととても素晴らしい時期がありました。その当時は当たり前だと思っていたけれど。

青いうちに収穫してしまうともったいない,しかし熟しすぎると美味しくない,このちょうどよいタイミングを狙っていた小学生時代でした。

最近部屋にグリーンを増やすことがささやかな楽しみとなり,先日も駅前の花屋をうろうろしていたところ,100円均一のコーナーに目が留まりました。葉っぱの形ってデザインだなぁと感じられるようになったのは,大人になったということでしょうか。さんざん悩んでクローバーを買いました。机に置くための皿や小さな鉢も仕入れて,いそいそと机に並べ,ニヤニヤしていました。

なんだかそれを見ていたら,その,小学生のころのイチゴ収穫が頭の中にフラッシュバックしたのです。あの収穫の時の土の匂いや収穫に持参したステンレスのボールと一緒に。そうだ,あの葉っぱはイチゴだと。花屋の100円均一コーナーで悩んでいたもう一つの鉢は,イチゴだったんだなと。

懐かしさが嬉しくて,翌日に花屋にもう一度行きましたよ。そして,そのイチゴの葉っぱを買いました。そのイチゴはワイルドストロベリーという名だと知りました。

今,机の上でクローバーの隣に並んでいます。あの美味しいイチゴは収穫できないけれど。