三国志と人間関係(呂布かわいい)

最近ブログ更新が滞っております。原因は三国志にあります。北方謙三三国志(小説)とドラマ「三国志three kingdoms」を並行して両方楽しむという状態にはまりこんで,抜け出せる気配がありません。脱出の見込みは来月以降になりそうです。

友情・努力・忠義・愛情・裏切り・策略・尊敬・軽蔑。このドラマにはあらゆる要素が濃厚に詰め込まれていて,ぐいぐいと惹きつけられます。ガラスの仮面もなかなかすごかったけど,それとはまた別の引力があります。

今のところ,かわいいのは呂布。まさに「おひとよしな体育会系の男。家族想い。」として描かれています。こういうシンプルに生きていて複雑なことを考えない人って,付き合ってて楽だよなぁ。そして,そういう人を見下す傾向のある人たちも,さもありなんで,これがまたリアルなんですね。

個人的に好印象は孫策です。立派なお父さんの元で育った長男。それでも嫌味がなくてね。周瑜との友情関係や孫権との兄弟関係もgoodです。

三国志を楽しむと,人間関係について色々感じ取ることができると僕は思います。いいか悪いかは分からないけれど。

源斉先生と和食(特にお味噌汁の深さについて)

「口から摂るものだけが、人の身体を作るのです。」と,そう源斉先生は語ります。ええ,みをつくし料理帖の話です。(小説)

この時代小説本当にすごいなぁ。現段階での最終巻(7巻)を読み終えましたが,感情がぐわんぐわんと揺さぶられます。ストーリーの巧さがすごいです。そうか,お話の流れってこんなに人を惹きつけるものなのか。

そうやって惹きつけられると同時に,どんどん美味しい和食が食べたくなります。そして作りたくなります。なんて嬉しい小説なんでしょう。(僕が影響を受けやすいだけという話もありますが)

というわけで最近,秋刀魚の味醂干しとか鮭の西京漬けとか味付きの魚をグリルで焼くようになりました。(グリルはホイルを敷いて焼くようにして掃除の手間を省くことを知り,そうしてます)そして,お味噌汁を作って和食を頂いています。

一度は挫折した,基本的な家庭での和食作り。再チャレンジの時なのです。今回はどうもうまくいきそうな気配がしています。その変化をまとめてみたいと思います。

  • グリルでの魚焼きは洗うのが面倒で魚の匂いも残り,とても好きになれなかった。が,ホイル敷けば汚れないわ匂いも残らないわ,なんでこうしなかったんだろうと目から鱗のソリューション(解決策)でした。(グリルの使い方を覚えた)
  • 以前使っていた炊飯ジャーは,ご飯があまり美味しくなかった。が,先日圧力IHを買い替えたところ,とってもご飯が美味しくなってまた食べたくなる。冷凍ご飯も,炊きたてをすぐにジップロックのコンテナに入れて冷凍すると,解凍ご飯のクオリティがかなり高いことに気付いた。(ご飯がおいしくなった)
  • お味噌汁に適切な鍋がなく大きい鍋で無理やり作っていたので,思い通りにいかなかった。色々探して,お気に入りの行平鍋を購入したら,とっても作るのが楽しくなった。コンロに行平鍋を置いただけでたのしい。(新しい行平鍋GOOD)
  • お味噌汁の具には適当な野菜を放り込み,割と美味しく食べられることにようやく気付いた。どんな野菜でも,味噌汁の味は出汁と味噌の味が決めてくれるので,野菜のせいでまずくなることは滅多にない。大根や人参などの地中で育つ根菜類を水からゆっくり煮るとなかなかうまくいく。体に良いものを食べることが今日の自分や明日の自分の役に立つので,野菜を摂れるのが嬉しい。源斉先生の言うことを素直に聞いている気分になる。(味噌汁で野菜食べられる)
  • お味噌汁の情報を色々とネットで読んでいたら,「合わせ味噌どうするか」「出汁をどうするか」などいろんな情報があって,なかなか奥深さがあってやる気が出てきた。合わせ味噌用にタッパーを作って,何種類か味噌を入れておいて,どの加減でどんな味がするのか試してみるのも面白そうになった。といっても,今はまだ二種類だけだけど。出汁もかつおの細粒出汁を使っているけど,昆布出汁も合わせてみたら面白そうとか。それに,砂糖入れるとか,煮切り酒入れるとか,色々アイディアもあることを知った。(味噌汁って奥が深くて面白い)
  • 挫折した頃は20代前半だったが,今はそれよりだいぶ年を取っている。(年齢)
  • 味付けの魚を上手に焼くと,下手な肉より全然美味しい。(肉上等生活の変革)
  • 味噌汁と魚にもう一品冷蔵庫に入れておいた常備菜で食事として成立することを考えると,結構手間を省くことができそうだ。(意外と簡単に作る方法あることに気付き始めた)

という感じです。そしてここから思うことがあるのです。

「世の中の外食で,お味噌汁を選べないのはなぜか」と。

焼き魚定食だったとして,「今日は,赤みそで鰹出汁で豆腐の味噌汁がいいなぁ」という人がいて,「合わせだしでなめこの味噌汁飲みたい」という人もいて,「白みそでかぼちゃの味噌汁ないかな」という人がいてもおかしくないはずです。いや,絶対にいるはずだと思うわけなのです。

少なくとも「今日の味噌汁は**です」という表示ぐらいあってもいいではないかと。スタバに「今日の本日のコーヒーはハウスブレンドです」とあるような感じでね。そうやって,食べる前に舌が受け入れ態勢を作るわけなんですよ。もし,「三河湾直送の浅利の味噌汁(お代わりできます)」なんて書いてあったらテンション上がっちゃうでしょう?回転寿司の「あら汁無料」とはわけが違うのですよ。(あれはあれで美味しい時もあるけどね)

美味しいお味噌汁,これは死ぬまで付き合える趣味になりそうです。そのきっかけをくれた源斉先生と澪ちゃんに感謝ですねぇ。

ところで作者の高田さんは,みをつくし料理帖の8巻まで時間がかかりそうなことを書いてましたね。いやぁ,待ちますよ。しょうがないでしょう,ここまで素晴らしい小説が書かれているのですから,早く書いてくれなんて言って質を落とすようなことになったら大変です。日本小説界に影を落とします。(大げさか)

僕は次に北方謙三三国志に進む予定です。ええ,「目から摂る小説が,さらに人の身体を作るのです」よ。

パスタ作りとラ・ベットラの落合さん

美味しいパスタ。テンション上がります。

僕が料理をするようになったのは,実家を出てからでした。ご飯を炊いて,味噌汁を作って,魚を焼いて,実家のような基本的な和食に挑戦したものです。結果,あっという間に料理が嫌いになりました。食器が多く洗い物は多い,ご飯が炊けるまで時間はかかる,それほど美味しいものが作れない,三重苦です。まぁ,親に頼りきりだったのが元凶でしたが。

そんなぶつぶつ言っていたら,友人がウチに来て,ご飯を作ってくれた。ご飯と言っても,スパゲッティ。それは,パスタと呼ぶらしい。新しい文化の到来でした。いや,もちろんスパゲッティは知ってましたよ。その,ミートソースとか,和風きのことか,ナポリタン,明太子。それらは知ってました。けれども,特別好きとかではなく,時々お昼に食べる「スパゲッティ」でした。

それが大きく変化しました。夕飯に食べる,トマトソースの「パスタ」。こりゃ美味しい。「イタリア人って,美味しいもの食べる文化がすごいんだよ。手間をできるだけ省いて,簡単なのに,とても美味しいものが沢山ある。」という意味のことを教えてもらいました。これは転機でした。

フライパンと深いお鍋だけで作れるし,盛り付けもお皿が一枚。手間が省かれるのに,美味しい。簡単な日本食ではたどり着けない所に,イタリアンだからこそたどり着いていることが何となく分かるようになり始めました。

例えば,ご飯+トマト+ツナが食事として出てきたら,(無理やりパスタの組み合わせを和食としてやってみたら),まず,美味しいものにはならない。しかし,ツナトマトのパスタなら,成立する。しかも,かなり美味しい。

同じように,ご飯+キャベツ+ベーコンを食事にするのは何とも味気ないけど,キャベツベーコンのペペロンチーノなら,成立する。美味い。

さらに,パスタを茹で上げる時間とご飯を炊き上げる時間を比較すると,圧倒的にパスタの方が早い。

というわけで,基本の日本食で抱いていた三重苦を軽く解決してくれました。片付けが楽,早い,美味しい,すべてをイタリアンがクリアしたのです。美味しいパスタに出会えたきっかけ,その友人のレシピとコツの伝授に感謝しています。僕はそれ以来,何かあるたびにパスタを作り続けてきました。(最近,ついに日本食にも目覚めはじめたのですが,それはまた別で書くことにします)

そのイタリアンを教えてくれた友人が話していたイタリアンキーパーソンが,ラ・ベットラの落合さんでした。その人のレシピを参考にしているとのことで,さっそく僕も影響を受けてその時は買って読んだりしていました。最近はその本はずっとほったらかしにしているけど,落合さんの印象だけはとても強く残っていました。

ここ数年,いくらかお店でイタリアンを食べました。僕もそんな年齢になったのです。もちろん行きましたよラ・ベットラにも。世の中のグルメな人たちには全くかないませんが,僕が行ったイタリアンの中で,群を抜いてラ・ベットラが美味しいです。ランチだけだったけど,本当に幸福な体験ができました。いつか予約して夜もチャレンジしてみたいものです。

落合さんは,どうやったら日本人が美味しいと感じるイタリアンが作れるのか,探求してきたのだと思います。その理由は,「本格イタリアン」は,決して美味しいものではなかった,という事実があるからです。僕も分かるようになりました。日本でも「本格イタリアン」を食べさせるお店があります。それを美味しいと思えなかったからです。イタリア人の文化の中で成立している美味しさと,日本人文化の中で感動する美味しさは微妙に違うのです。

すごく簡単に言うと,本格イタリアンは,ちょっとしょっぱくて,ちょっとしつこい。そして,お腹を壊すことが多い。対して日本人が美味しいイタリアンは,塩加減が絶妙,そして,出汁の味がする。

ずいぶんと大雑把な表現になってしまったけれども,僕が本当に思っていることはそういうことです。例えば,ミートソースの最後に醤油を入れると,ばちっと美味しさが決まる感じというのは,日本人だからこそ味わえるのと思うのです。

ちなみに,「絶妙な塩加減」,これが,パスタを決める肝心の要所です。もしこれを読んでいる人がまだパスタを作ったことがないなら,これに気づくかどうかでパスタ作りが楽しくなるかどうかがぱっくりと分かれます。絶対に大切にして下さい。

塩味が薄いと,絶対に美味しくありません。どんなに良い食材でもダメなんです。なんだかあっさりしすぎた味というのは,もう一度食べたくならない定番の失敗です。

逆に塩味が濃すぎると,ちょっと食べててつらいです。なんだか残念な感じになります。「ああ失敗しちゃったね」という感想を受けます。けれども,僕としては,塩味が足りないよりは100倍マシです。(それぐらい塩味が抜けたパスタは不味い)

ジャストな塩加減ができさえすれば,そこいらへんの野菜で,そこいらへんのパスタをゆでて混ぜただけでも,結構おいしく仕上がります。本当です。これに,オリーブオイルも美味しくて,パスタのゆで加減も良ければ,まぁ,軽く感動できる程度まではいけることでしょう。

ちなみに僕が使っているオリーブオイルは,スペイン産のOLEO MARTOSというエクストラバージンオリーブオイル5L缶です。今4300円とかです。でかい。

なぜこのオイルを使っているかというと,とあるイタリアンのお店でこれを使っていることを教えてもらったからなんですね。オリーブオイルを選ぶ上で,「イタリア産」か「スペイン産」かという選択があるわけですが(もちろんその他の国のものもあるけれど),「スペイン産」の方が安定感がある,というのがその方の情報でした。そして,このオリーブオイルは,「この値段でここまで美味しいとは」という嬉しい5L缶なんです。値段で割ったら,相当なコストパフォーマンスがある商品です。人にもプレゼントしたりできます。(安くて使いやすいなオイル差し知ってたら教えて下さい)

大量に買っても,オリーブオイルは1年以上は持つし,けちけちせずにオリーブオイルを使いながら料理をできるのって楽しいものです。(高いオリーブオイルだと,つい量を加減してしまう貧乏性が発生)。

美味しいパスタを作って食べる時って,幸せ。そしてこの美味しい日本のイタリアンに沢山の貢献をしてくれた落合さんに感謝。いつかまた,ラ・ベットラ行きます。時々食べる美味しいパスタは,料理の感性を磨いてくれます。