近所の畑とワイルドストロベリー

小さい頃に住んでいた家のそばに畑がありまして,親戚のおじさんがナスとかきゅうりとかトマトとか色々と育てていました。我が家はその畑にあったイチゴ栽培スペースを一区画契約していて,イチゴを育ててくれるのはそのおじさんなんだけど,収穫だけは好きな時に好きなだけ自分たちでプチっともぎる,今から考えるととても素晴らしい時期がありました。その当時は当たり前だと思っていたけれど。

青いうちに収穫してしまうともったいない,しかし熟しすぎると美味しくない,このちょうどよいタイミングを狙っていた小学生時代でした。

最近部屋にグリーンを増やすことがささやかな楽しみとなり,先日も駅前の花屋をうろうろしていたところ,100円均一のコーナーに目が留まりました。葉っぱの形ってデザインだなぁと感じられるようになったのは,大人になったということでしょうか。さんざん悩んでクローバーを買いました。机に置くための皿や小さな鉢も仕入れて,いそいそと机に並べ,ニヤニヤしていました。

なんだかそれを見ていたら,その,小学生のころのイチゴ収穫が頭の中にフラッシュバックしたのです。あの収穫の時の土の匂いや収穫に持参したステンレスのボールと一緒に。そうだ,あの葉っぱはイチゴだと。花屋の100円均一コーナーで悩んでいたもう一つの鉢は,イチゴだったんだなと。

懐かしさが嬉しくて,翌日に花屋にもう一度行きましたよ。そして,そのイチゴの葉っぱを買いました。そのイチゴはワイルドストロベリーという名だと知りました。

今,机の上でクローバーの隣に並んでいます。あの美味しいイチゴは収穫できないけれど。