自分をマネジメントしようとするパラダイム

多くの人が当たり前だと思っていること、パラダイムは時代によって覆される。ちょっと前の時代に生きていれば、地球は平らだし、地球の周りを星が回っていることになる。今ではそんなことを誰も信じない。自分の目で地球が球体で宙に浮いていることを見た人なんてほとんどいないのに。
私達の時代の一つのパラダイムに、自分を管理するべき、というのがある。これは当たり前だと多くの場所で考えられている。一週間の表を作って、そこへやるべきことを投入しなければならないと思い込んでいる人は普通だ。しかし、このパラダイムは崩れるのではないかと推測する。
この土台作りには、小さい頃からの教育が大きな影響を持っている。夏休みになったらどうやって時間を使うか計画しましょう、と課題が出て、それを書く。どこからどこまで寝て、いつ風呂に入って、いつ宿題をやって、いつTVを見て、というものです。どのように宿題をこなしていくか、計画しましょう、1日に何ページ、とかいうものです。
この自分を計画する実績は、多くの場合大失敗に終わります。もちろんちゃんとできる人もいるだろうけど。見たければTVを見る。見続ける。眠くなったら寝る。おなかが空いたら食べる。何かどうしてもマックが食べたくなったらマックに行く。宿題は、しなくちゃだめだなぁ、予定から遅れているなぁ、って思う。でも進まない。いざ宿題をやるのは、しなくちゃならないストレスが最大になった時です。しかもそのストレスと言うのは、宿題をしたくなったわけではなく、宿題を忘れた人になった時に恥をかくから、もしくは好きな女の子に幻滅されるから、もしくは単位が取れないから、というどうしようもない理由であることがしばしばです。
安易ですが、そういった現状から、自分をマネジメントすることにはかなり意味がないと判断できると思います。
この問題は大人になっても抱え続けます。勉強するべき、読書するべきと思うもののできていない自分に勝手に落ち込むことがあるかもしれません。
人は、自分は、自分からしたいと思ったことしか行動しません。心が伴ったところにしか行動がありません。ゆえに、心を無視して行動予定だけ立てても全く機能しません。これが、自分をマネジメントする必要がないということの主旨です。基本的には最近読んだ本で納得して認識が新たになったことの受け売りです。私がひらめいたことではありません。
どんな分野においても言える事がここから引き出せます。どうやって行うか、その方法を力説することはかなりもったいない行為です。人は、自分からしたいと願っていることなら、何とかしてその方法を自分から探し出して覚えるからです。ゆえに必要なのは、なぜ大切か、そうすることにどんな価値があるかです。間違いなく!
その人がそうしたいと願うかどうか、心を動かせるかどうか、そこにフォーカスすることは重要です。そして、自分の心が何を願っているか、そして今後何を願うような心であって欲しいのか、考えることは最重要です。
世の中にはHOWTOが氾濫しています。しかし大事なのは、どうやって実現するかよりも、何を実現させたいのか、という内なる人です。
本当に宿題の価値が認識できていて、学びたいという意欲さえあれば、夏休みの初日から家で勉強をするはずだったのです。宿題が終わろうが、図書館に行って関連する本を読んでいたはずだったのです。
自分に対してリーダーシップを取り、何が大事なことか認識できるよう励まし続けるなら、自分の心を動かすことができます。その後、燃える心が、今日使う時間と明日使う時間を計画します。限られた資源をどうやって使うのか、有効に使うために考えます。そのタイミングで十分です。マネジメントの技術を向上させようとする努力をするのは、生活の上級者といえると思います。
まずは自分に対してリーダーシップを取ること、この鍵を今考えています。
#「何ものにも勝ってあなたの心を守れ」という原則とはこういうことか、という気づきでした。