Webサービス開発に関わる人たちの役割の見える化

【翻訳】プロダクトマネジメントトライアングル

とてもわかりやすい資料を読みました。作者のDan Schmidt氏、翻訳をした ninjinkun氏、レビューされたKosuke氏に感謝します。

この資料の肝は、三角形を作ったことです。普通に考えると

顧客 <-> プロダクトマネージャー <-> 開発者

という図を思い描いてしまうものです。それを、以下のようにしたのです。これは本当に素晴らしい。

プロジェクト管理の図示
プロジェクト管理の図示


これで、顧客 <-> 開発者 という関係を表記でき、そこには、SNSとの親和性だとかSEOだとかデザインと言った、顧客側からの開発者への要求を書いています。どちらからどちらに要求されているのか、どちらが欲しがっているのかというのが曖昧ですが、今そこまで突っ込まなくてもいいかと思います。

顧客と開発者に加えてある第3の軸は、「ビジネス」です。これもまた絶妙な表現です。簡単に言えばお金とリーダーシップということになると思います。

例えばお金のことを考えたとすると、開発者にはお給料もしくは予算が必要です。それを支払う顧客もしくは会社があります。ユーザーは、ある場合は無料でサービスを使い、ある場合は開発費を支払います。この図では、ユーザーがビジネスにお金を渡し、ビジネスが開発者にそれを支払うことが図示されています。ユーザーが開発者にお金を払うという構図でもあっているように見えますが、間にビジネスが挟まることにより、役割がより明確になっています。開発者が直接ユーザーと接し、金額の交渉をして、それを得る、というのは個人事業主なら当たり前のことですが、開発者としての役割と営業としての役割はそれぞれ別だと感じます。それがこの図ならすっきりと説明されているわけです。

また、製品の開発リーダーシップという面を考えたとしても、そこにはユーザーと開発者の間に、進むべき道筋を考える人もしくは人達がいるのは自然なことです。これもまた、開発者とユーザーが2人3脚でやってしまう場合がありますが、その間に予算管理をしつつ、開発者の都合とユーザーの都合の調整を図る人が必要です。それもまたこの図には「ビジネス」として示されます。

最初、「ビジネス」の所に、「プロダクトマネージャー」がいればそれでいいのではないかと思いました。けれども、これが「ビジネス」になっているからこそ、色々と表現しやすくなっているのです。

お金を払う側と、お金をもらって作る側、その2軸で考えずに、「快適に便利に使いたいユーザー」、「持てる技術を生かして製品を作りたい開発者」、「世の中のニーズを満たして利益やお金にしていきたいビジネス」という3者にすることで、色々なものが見えてきます。

少々デザインが軽視されている気もします。ユーザーと開発者をつなぐ線になってしまっているからです。その辺りは改善の余地があるかもしれません。

それぞれの3者をつなぐ線も、それぞれ6線あってかっこいいんですが、何かとってつけたような「Market Sizing」とかもあって、何だかもったいないところもあります。

発想はすごく良いので、これをもうちょっと進化させたら、すごくWebサービス開発ってどんなものか、そこに関わる人たちの役割を説明するのにとても分かりやすい図になりそうです。時間があったら僕が挑戦してみようかな。