他人を変化させる快感とさびしさとの戦い(コントロール欲求と帰属欲求)

誰かを自分の思い通りに変化させることができたなら,気持ちが良いことでしょう。もちろんそんなことをしたら,相手は大きな反感を持つでしょうし,周囲の人たちも良い印象を持たないはずです。

これは理性的に考えればわかることです。そして,そうなりたくありません。しかし実際には自分がそんな裸の王様になってしまっていることがあるものです。

他人を自分のおもちゃのように扱うことができると,自分の感情は満たされます。満たされてしまいます。そして満たすと同時に,相手の感情を奪い去ります。強い反感すら買います。

ここから導き出せる,お互いに気持ちよく過ごせる関係とは,互いに相手をコントロールしようとしないこと,となります。

私が楽しんでいるブログがあるので紹介します。

 自分をたいせつにする心理学
 http://nanahime.blog71.fc2.com/

 今回投稿された記事が,ぴったりと今考えていることにフィットしました。
 http://nanahime.blog71.fc2.com/blog-entry-585.html

この,「誰かをコントロールしたい欲求」と関連して考えるべき欲求は,「誰かと一緒にいて楽しく過ごしたい」という欲求です。一緒にいてもらえるためなら,相手の無理な要求を受け入れてしまいたくなることが,多くの人にはあるのではないでしょうか。

学生ならば,「友達だったら一緒にタバコ吸えるだろ?」や,「お菓子パクってこい」などから始まりますね。大人になると,「一緒に飲みに行こうぜ。別の予定?キャンセルしなよ。あいつと飲むのやめなよ」となります。

断ればおしまい,の簡単な話です。しかし,これが簡単ではないのが実際の所です。誤解を恐れずに言えば,日本文化です。無理を言われたとしても一緒にいたいと願う,断りたくない事情があるものです。そのグループから仲間はずれにされたくはないのです。もしくは,自分が収入を得ることと大きな関係があって,利益のためには従わざるを得なかったりするのです。その人から評価されることによって,未来の良い展開を期待していたりするのです。そしてある場合,ただ友達でありたいと願って,しぶしぶ要求を呑むのです。

相手の弱みを握ってコントロール欲求を人が使い始める時,そこには互いへの依存関係が始まります。

依存関係が深まる時,大抵の場合良くない結末へと向かっていくことでしょう。

最初の入り口でそれに気づいて,関係を持たないことが最善です。そして,一時のさびしさを受け入れる覚悟が必要です。

自分の帰属欲求を満たすためには,精神的に自立して,他の人に何かを与えられる人となり,感情を奪い合わない関係を新たに作ることが理想的です。

もちろん,それが簡単ではないことは百も承知しています。そして,それでもその関係を目指すことが,自分にとっての幸福につながることを私は確信しています。