運動ほど軽視されるコストパフォーマンスの高い活動ってなかなかない。

「定期的に運動をすれば、健康を維持できる。」

これほどみんな知っているのが当たり前で、そして、なかなかできないことってあるでしょうか。

自分を幸福に安定させるためには、4つのことを意識していればいいということを先日書きました。それは、「知力を使うこと(思考停止をしない)」「精神・心を安定させる習慣を持つこと」「人とのつながりを大切にすること」「体調を気遣い、健康であること」の4つです。

このうち4番目の、体調管理と健康管理は、食生活も影響しますが、とにかく影響が大きいのは運動をするかしないかです。

定期的に運動をしていれば、食生活が多少荒れていたとしても、健康はかなり維持できます。まったく運動をしていなくて、やれ調子が悪いと言って年中薬を飲んだりするのはとてももったいないやり方だと思います。私が薬を飲まないというわけではもちろんないんですが、前もって定期的な運動をしていたおかげで、元気で健康が続いているのと、運動をしていなくて、調子が悪くなってから医者にかかって薬を飲むようになるのだと、後者の方がお金もたくさんかかるし、そもそも健康維持できているということがどれほど価値のあることなのかというのは、きっと病気を患うようになってからはっきりと分かるようになるのです。それを後から実感するのではちょっと遅いと思います。先にそうなることを予想しておければ、ちゃんと運動を続けようっていう動機が確保されると思います。

7つの習慣の文を少し引用します。


運動を継続することで得られる最大のメリットは、第1の習慣の主体的な筋肉も鍛えられることだろう。運動を行うことを妨げるすべての要因に反応せずに、健康を大切にする価値観に基づいて行動すると、自信がつき、自分に対する評価や自尊心、誠実さが大きく変わっていくはずである。

運動を定期的にする人はおのずと気が付きますが、運動のメリットは健康だけではないのです。もちろん健康が維持されるだけで十分なメリットがあるのですが、それ以外に「もっと」重要なことが起きるのです。

それは、自分の心や考え方へのプラスの影響です。運動することを決めて、それを実行する。このことは、自分による自分への評価が高まるので、自尊心が保たれ、より心が安定するようになります。

運動をしている間、他人へのイライラや自分に対する不満、未解決の悩み事などをいったん忘れることができます。時には、そういった問題に対して前向きな見方をするきっかけを得たりすることもあります。

また、一人でジョギングや腕立て伏せなどもいいですが、何人かと一緒に運動するようにすると、さらに別のメリットもあります。

私はサッカーをしますが、ここから感じ取れることはとても多いです。

一言でいえばチームプレイということになるのですが、自分が一番うまくて一度もミスをしないということは大抵あり得ません。私は運動神経が並なので、大抵回りに迷惑をかけるタイプです。簡単に説明すると、運動神経がとても悪い人はサッカーをしに来ません。運動神経の良い人がサッカーには多く集まります。自然なことですね。ですから、運動神経が並であるということは、相対的に下手な部類になるということです。

蹴りたいと思う方向に蹴ることができない。出したいと思うところに足が出ない。走り込みたいのにもう走れない。仲間からの信頼が得られないとパスが来ない。ミスをしたときに仲間の失意を感じなければならない。

こういったことが運動中に連続して起こります。普段穏やかに生活していたら、そんなに自分のミスや回りにかける迷惑のことなんて考えないものですが、試合中はずっとそんなことを考えます。これが、とても良いのです。

失敗する人の気持ちがよくわかります。仲間が失敗した時に出る自分の反応がよくわかります。また、あきらめずに挑戦し続けたときに得た得点に喜ぶことができます。これは、普段ではそれほど頻繁に味わうことができないものです。普通の生活の中では「時々」味わうものを、試合に参加することによって「連続して、とてもたくさん」味わうのです。

運動の習慣をこうやって考えていくと、行わないのがどれほどもったいないことなのかわかります。こういった時間を、テレビやドラマやネットでただ全部つぶしてしまうのは機会損失はなはだしいといえます。

運動を定期的に行える環境をいつも大切にしたい。そのための場所や友人。生きている間ずっと。