受けたいと与えたい/結婚したいの種類

与えたいと願うとはどういう状態かわからないと書いた後、少し考えたことがあったのでまとめておきたいと思います。金銭で例えるのが一番シンプルかなと思いました。どんな時に与えたいと思うか、欲しいと思うかです。

貯金はほとんどなしで毎月の稼ぎと支出は同じぐらい、つまりぎりぎりで生活している人だったとしたら、他の人に数万円を使ってプレゼントしたいという気持ちになるでしょうか?基本的に言って、なりません。何か別の動機があって、借り入れしてでもプレゼントすることはあるかもしれませんが、そういう生活をしていたら普通は“もっとお金が欲しい”と思うことでしょう。“あと5万円毎月あれば楽になるのに”、という思考パターンに入ると思います。

貯金が500万あって、毎月十分貯金できる生活をしている人が、友人がとても欲しがっている物を知って、なおかつそれを本人にプレゼントするのはとても良いことだと思ったなら、5万円するものでも“与えてあげたい”と思うのは自然です。十分に資産があって、そして、与えることがとても素晴らしいと思うなら条件は揃います。

結婚の際この金銭は、目に見えて計算できるものではありません。人の内面全てと言えると思います。人格、性格、教育、精神的な強さ、愛情、などが含まれることでしょう。もちろん資産なども含めることはできますが、それは内面と比較すると小さいと言えます。

内面としての経済事情が火の車である場合、欲しいゆえに結婚したくなります。癒して欲しい、不安を解消して欲しい、教えて欲しい、愛して欲しい、となるわけです。しかし、一人でいたところで内面の経済事情を安定させることができなかった人が、パートナーを得ることで安定できる可能性はとても低いです。“あと5万円毎月あれば”と考える人に毎月10万円足されたとしても、同じように足りなくなります。問題はもっと根っこにあるからです。

内面としての経済事情が十分安定している人、そして貯金まで出来ている人は、精神的に与えることが十分にできます。与えることから充実感と幸福感を得ることが出来ます。与える対象としての大切なパートナーを得て、より内面は充実していくのです。まるで貯金が毎年複利で利子がつくかのように。

与えたいと願う結婚に入れるのかどうか、それは自分の内面の資産運用が関係していると思いました。精神的な安定、与えられるほどの愛情を培うこと。育った環境に大きく依存するけれど、そこに完全に縛られているわけでもない。